職場の熱中症を防ぐために

夏に向かって、暑い日が多くなってきそうです。厚生労働省は5月から9月まで、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施しています。
本稿では、キャンペーンの主な取り組みを紹介するとともに、効果的な熱中症対策などについてお伝えします。

1 キャンペーンの主な取り組み

厚生労働省は、労働災害防止団体などと連携し、企業に熱中症予防の周知・啓発を集中的に行っています。ポイントは3つです。
① 暑さ指数(WBGT)を把握し、指数に応じた熱中症予防対策を適切に講じる
② 作業を管理する者および労働者に、あらかじめ労働衛生教育を行う
③ 糖尿病、高血圧症などの疾患がある人に、医師等の意見をふまえ配慮する
暑さ指数(WBGT=Wet-Bulb Globe Temperature)とは、職場の熱中症リスクを判断するための指標です。気温だけでなく湿度、風速、輻射熱(放射熱)、身体作業強度、作業服の熱特性も考慮し計算されます。厚生労働省は、職場に「暑さ指数計」を置き、指数を計測して熱中症予防対策を講じるよう、呼びかけています。
労働衛生教育に必要な教材は、厚生労働省のポータルサイト「学ぼう!備えよう!職場の仲間を守ろう!職場における熱中症予防情報」( https://neccyusho.mhlw.go.jp/ )から入手できます。
糖尿病、高血圧症、心疾患、腎不全などは、熱中症の発症に影響を及ぼすおそれがあります。産業医などの助言をもとに、特に配慮する必要があります。
また、熱中症の効果的な予防法として、厚生労働省は次表のチェックを勧めています。

※厚生労働省「中小企業の事業主、安全・衛⽣管理担当者・現場作業者向け働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」より

2 職場での熱中症による死傷災害の状況

厚生労働省の集計(令和6年1月11日時点速報値)によると、職場での熱中症による死亡者と休業4日以上の業務上疾病者の数は、2023年に1,045人に上りました。うち死亡者は28人です。業種別では、建設業、製造業、運送業で死傷者数の割合が高くなっています。

※厚生労働省「令和5年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(令和6年1月11日時点速報値)」

3 さいごに
熱中症に伴う労働災害は、被災した労働者や家族はもちろん、補償などの面で企業にも多大な影響を与えかねません。毎年、夏には必ず熱中症のリスクが高まります。本格的な暑さを迎える前に、今から職場の熱中症対策に取り組んでみてはいかがでしょうか?
※本内容は2024年4月10日時点での内容です。

(監修 社会保険労務士法人 中企団総研)